両親を扶養に入れていたら、在留資格の手続きに影響はある?
- 河村 儀明
- 2016年6月20日
- 読了時間: 2分

巷では扶養に関する様々な噂が流れているからなのか、
最近は特にこのような扶養(特に両親の扶養)に関するご質問をいただくことが多いです。
たしかに、扶養については、永住許可申請のみならず、
帰化許可申請やその他の各種在留資格の手続きでも重要であることは間違いありません。
なぜ重要なのかと言うと、
扶養とは、ここでは一定の金額の所得控除を受けることができる所得税法に係る手続きについて指しており、つまり、法律上の問題であるからです。
「両親を扶養に入れていたら、永住申請できないのか」という質問の答えは、
そうとは限らないという言葉に尽きます。
両親を扶養に入れている方でも、
各種在留資格の手続きや帰化申請に何ら支障をきたさないケースは勿論あります。
ここで注意しなければならない一つのポイントは、扶養の実態です。
両親に限らず、親族の方を扶養するうえで重要なのは扶養の実態があるか否かということです。
扶養の手続きは、身分上の関係により適用されるのではなく、
あくまでも実態の伴ったものでないといけません。
そして、国外居住親族を扶養する場合、
その実態を証明するために、送金関係資料(海外送金)が必要となります。
ただ、親族を扶養している方の中には、
本国に帰国した際に現金を手渡しているというケースも少なくないと思います。
しかし、たとえこのようなケースであったとしても、
送金関係資料がなければ、本来、国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受けることはできないのです。
各種在留資格の手続きや帰化申請に際して、
親族を扶養に入れていることが問題になるケースとならないケースの明暗を分けるのは、
まず上記の扶養の実態があるか否かであると言っても過言ではないでしょう。
各種在留資格の手続きにおいて、
扶養の実態に疑義を持たれたときは、送金関係資料の追加提出を入管より求められることがあります。
このとき、送金関係資料を提出できないのであれば、
所得税法で定める扶養控除等の適用を受けることができないのに扶養をしていると捉えられてしまう可能性が高く、
それがどのような影響を及ぼすのかは明白であると考えます。
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