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『船舶観光』の光と影

  • 松本 良太
  • 2016年6月3日
  • 読了時間: 2分

昨今、中国の富裕層を中心に、

大型クルーズ船で来日し、日本観光を楽しむ外国人観光客の方が急増しています。

去年(2015年)は年間110万人を超えて、過去最高となったそうです。

クルーズ船による日本の観光ツアーについては、

去年1月から一定の条件の下で外国人観光客がビザを取得しなくても日本に入国できるようになりました。

通常、ビザ免除国ではない国の外国人が観光等で来日する際には、

事前に在外日本公館で査証(ビザ)手続きが必要なのですが、

法務省入国管理局は、去年1月、従来の審査の方法を見直し、

『船舶観光』と呼ばれる新たな入国の許可制度を設けました。

この制度により、一定の条件のもと、

ビザがなくても入国することができるようになった結果、

同制度を利用して来日する観光客の急増につながったようです。

観光立国の観点からも、

『船舶観光』は外国人観光客招致における起爆剤のひとつとして、

ますます期待が寄せられることでしょう。

しかし、光もあれば闇もあります。

クルーズ船に乗ってスムーズに来日したものの、

入国したあと船に戻らずに失踪した中国人が、

去年7月から今月にかけて22人に上っていることが判明したのです。

彼らのなかには、

入国からわずか3時間後に連絡がとれなくなった者もいたことから、

当初から不法滞在を目的に『船舶観光』を利用した疑いもあります。

入国管理局や警察などは、

ビザが不要となったことなどを悪用した、

不法滞在や不法就労の新たな手口として警戒を強めています。

折りしも、6月は法務省入国管理局が定める

残念ながら、水際対策にはやはり限界があります。

入ってしまった者に対しては、

内側から対処するしかありません。

日本社会に暮らす私たち自身が、

正しい眼を持ち、毅然とした態度で現状を見据えない限り、

こういった問題は解消されないのではないでしょうか。


 
 
 

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