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帰化業務は行政書士?司法書士?弁護士?

  • 松本 良太
  • 2016年5月11日
  • 読了時間: 3分

いつもご愛読いただきありがとうございます。

東京帰化相談室の松本です。

帰化許可申請は、

もちろんご自身でもできますが、

書類が非常に多く手続きが煩雑で、

法律や審査実務運用に関する専門知識も必要となるため、

専門家に依頼されるケースが多いようです。

そこで、

いざ専門家に依頼しようとなったとき、

誰に(どこに)相談すればいいのでしょうか?

日本には、法律系の専門職として、

多くの国家資格者が存在します。

弁護士をはじめ、

税理士、司法書士、弁理士、行政書士、社会保険労務士、

公認会計士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、海事代理士等、、。

彼らはひとくくりに「士業(しぎょう)」と呼ばれることが多いですが、

いっぱいありすぎて何だかよくわからない方も多いのではないでしょうか。

今では、

多くの方が帰化許可申請といえば「行政書士」に相談されているようです。

でも、

そもそも、どうして帰化は行政書士なのでしょうか?

その法的根拠は、

行政書士の資格や制度等について規定した、

『行政書士法』という法律にあります。

同法の第1条の2には、行政書士の独占業務として、

「官公署に提出する書類」の作成が明文化されています。

「官公署」とは、いわゆる役所のことです。

帰化許可申請書を提出先は法務省(官公署)ですから、

同業務は行政書士の業務と言えるのですね。

行政書士法以外にも、

法務省民事局通達や自治省(現総務省)行政課長回答等でも、

行政書士の業務としてはっきりと位置づけられているようです。

しかし、

ここであるギモンをもたれる方もいるかもしれません。

「あれ?帰化の資料は法務局に提出するよね?

法務局に提出する資料を作成するのは、

行政書士じゃなくて司法書士じゃないの??」

さぁ、面倒なことになってきました笑。

失礼、面倒なんて言っちゃいけませんね。

ちゃんと説明しましょう。

結論としては、

「司法書士」でも取り扱うことが可能です。

(実際に帰化業務を専門とされている事務所さんもあります)

根拠法令は、

『司法書士法』第3条1項2号に規定された、

「法務局又は地方法務局に提出」する書類の作成がそれに該当するようです。

「じゃあ、行政書士はやっちゃダメじゃないかっ?!」

急に怒らないでください^^;。。

確かに提出先は法務局(地方法務局)ですが、

法務局も「官公署」ですし、仮に同法で制限されていたとしても、

帰化許可申請はあくまで法務局(地方法務局)の長を「経由して」行うのであって、

申請先は法務大臣(法務省)であるはずです(『国籍法施行規則第2条1項』)。

また、帰化業務には必然的にビザ等の入管法関連知識も求められることから、

入管法等の国際業務を専門とする行政書士が帰化業務を行うメリットも考えられます。

ですから、多くの行政書士がビザとあわせて帰化業務を専門としているのですね。

それでは、

帰化業務を報酬を得て行えるのは行政書士と司法書士だけなのでしょうか?

いいえ、

じつは弁護士も行うことができます。

弁護士といえば「訴訟」のイメージが強いかもしれませんが、

『弁護士法』第72条の「法律事務」に帰化業務も含まれることから、

弁護士も帰化業務を行うことが認められています。

そのため、

答えとしては行政書士にも司法書士にも弁護士にも、

帰化許可申請資料の作成を依頼できるということですね。

ただし、

法律上、業務を行うことが認められていることと、

実務上、スムーズに業務を遂行できることは当然ながら別物です。

そのため、単に「●●士」という名前だけで判断するのは避けたほうがいいでしょう。

誰に(どこに)依頼されるかはもちろん自由ですが、

実際に帰化業務における経験や実績、ノウハウがあるのかどうかを見極めたうえで、

相談されることをお勧めします。


 
 
 

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